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​スカイランニングについて

山岳(超高層ビル等の人工物も含む)を空に向かって駆け登るスポーツ

 

スカイランニングは「FAST&LIGHT」なスタイルの快速登山のことです。ISF(国際スカイランニング連盟)の定義では、傾斜30%を超える部分を含み、登攣難易度Ⅱ級 (※三点支持を要する)を超えない範囲とされています。前進する補助としてストック、アイゼンや手を使うこともあります。レースによってはヘルメットや手袋などの装備が必携とされることもあります。

山岳スポーツであるスカイランニングでは、水平距離よりも垂直距離や標高差が重要な要素となります。つまり、スカイランニングにおける「ランニング」の意味は、陸上競技とは異なり、「走る」というよりも「駆け登る(下る)」ということになります。水平方向への走りやすさは求めていないため、競技会においては急峻でテクニカルな斜面や標高2000m以上の高山をコースにする場合が多くなります。

標高2000m未満の低山においても、ランニング形式の快速登山はスカイランニングと表現できます。ワールドシリーズ戦や大陸別選手権などの国際的な競技会も、ISF基準を満たしている場合、イギリスや香港など低標高の地域で開催される場合もあります。また、山岳での駆け登りから派生した都市型のスポーツとして超高層ビルやタワーの駆け登り競技もスカイランニングのひとつとなっています。バーティカルランニングと呼ばれる種目として、ワールドサーキットが世界各国の主要都市で開催されています。

スカイランニングの競技種目

スカイランニングの競技種目は、時間・距離・特性に応じて7つに分類されています。

日本選手権ではSKY・ULTRA・VERTICAL・SPEEDの4種目。

世界選手権ではSKY・ULTRA・VERTICALの3種目が実施されています。

登り下り系種目

 

1.SKY(スカイ)

– 中距離レース/累積標高差1300m以上/距離20km-49km

 ・SKYRACE®(スカイレース)– 競技会の名称

 累積標高差1300m以上/距離20-29km

 ・SKYMARATHON®(スカイマラソン) – 競技会の名称

 累積標高差2000m以上/距離30-49km/優勝者5時間以内

 

2.ULTRA(ウルトラ)

長距離レース/累積標高差3200m以上/距離50-99km/16時間以内

ULTRA SKYMARATHON® (ウルトラスカイマラソン)

 競技会の名称:累積標高差3200m以上/距離50-99km

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駆け登り系種目

 

3.VERTICAL(バーティカル) 

–駆け登りレース/平均20%以上の傾斜/一部は33%以上を含む/距離5km以内

・VERTICAL KILOMETER® (バーティカルキロメター) 

競技会の名称(略称VK):標高差1000m/距離5km以内(※±200mのバリエーションあり。VERTICAL KILOMETER®を2回、または3回でも認められる)

 

4.SKYSPEED(スカイスピード)

 – スプリントレース/100m以上の獲得標高差/平均33%以上の傾斜

5.SKYSCRAPER RACING(スカイスクレイパー(超高層ビル)レース) / VERTICAL RUNNING(バーティカル・ランニング) 

– 階段垂直レース/平均45%以上の傾斜/屋内外の階段

複合系種目

6.SKYBIKE(スカイバイク) – デュアスロン(2種の複合)/バイク or マウンテンバイク + バーティカル or スカイランニング

7.SKYRAID(スカイレイド) – 長距離にわたるチーム戦/サイクリング or スキー or クライミングなど + スカイランニング

スカイランニングの歴史

​最高峰の頂へ、谷や海から、街や村から、どれだけ短い時間で登ることができるだろうか。登山者であればもつであろう、自然なロジックから生まれた快速登山が「スカイランニング」というスポーツです。世界最古の記録会は1895年にイギリスのベン・ネビス山で始まりました。日本では1913年に静岡県御殿場市で開催された富士登山競走までさかのぼります。長野県内では1925年(大正14年)から「駒ヶ岳登山マラソン」が駒ケ根市にて開催されたことが有名な記録として残っています。その他にも、飯田市の風越山、上田市の太郎山、などの各地域のシンボルの山に駆け登る競技会が大正時代より開催されてきた記録があります。

1992年、イタリアの登山家マリーノ・ジャコメッティは、世界中で自然発生的に開催されていたこの種のスポーツを「スカイランニング」と定義づけ、1995年にスカイランニングの競技団体である高地スポーツ連盟(FSA)を設立しました。1998年には第1回世界選手権がイタリアのチェルビニアで開催され、2003年からはスカイランナー・ワールド・シリーズ(SWS)がスタートしました。2008年に現在の国際スカイランニング連盟(ISF)へと組織を刷新し、2016年1月には国際山岳連盟(UIAA)とパートナーシップ協定を結んだことで、国際的なスポーツとしてより強力に普及するための環境が整いつつあります。現在、50以上の国と地域にISF加盟団体が存在し、世界各地で200以上の公式戦が開催され、参加者は65カ国より50000人を数えます。

日本では、2006年にワールド・シリーズ戦として長野県内の王滝村で開催されたOSJおんたけスカイレースによって、スカイランニングという概念が広まりました。協会設立の中心となったのは、欧州と同等のスポーツ環境を日本国内にもたらしたいという志をもったアスリートたちでした。2013年に日本スカイランニング協会(JSA)が設立され、2014年にISFへの正式加盟を達成しました。そして、2015年より日本選手権、及び、国内シリーズ戦であるスカイランナー・ジャパン・シリーズ(SJS)がスタートしました。現在、20以上の公認レースが日本各地で開催されており参加者は10000人を数えます。

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